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今回は、知っているだけで市場リサーチから動画の構成までの大まかな流れが一瞬でわかる考え方、
「戦略フレームワーク」についてです。
これはYouTubeを始める上で頭が整理されるというものなんです。
そこで実際に、
よーし!YouTubeを始めるぞ!
っと思ったときに、あなたは何を考えますか?
あれ?何から始めればいいんだろうか?
何から考えればいいんだろうか?
と悩みますよね。
でも、その流れ、順番が一瞬でわかったらどうでしょうか。
スタートからつまづくことなくリサーチが進みますよね。
今回は、あくまでも大枠の考え方ですが、知っているのと知らないとでは最初からやることが見えるので大きな差がでる内容です。
サムネイルやタイトル、説明欄など具体的に何をするかのお話は省略しますが、今回紹介する戦略フレームワークを覚えておくことで頭がかなり整理されてスッキリするのでぜひ最後まで読み進めていただければと思います。
また、今回のお話の中で「ターゲット」の考え方が少し変わると思います。
あまりここに言及されているのを見たことがないので、視聴者属性を見極めるためにもぜひ覚えておいてほしいです。
ちなみに普通にイメージするターゲットの決め方、考え方は
年齢や性別などのターゲットを決める
→その人が求める商品(動画)を作る
→出す
この流れのイメージが強いですが、今回の話を聞いていただくと
需要を見つける
→そこから見えた人がターゲットになる
→確実に求められる商品を作る
→出す
という順番に考え方が変わります。
動画テーマ選びなどの精度がかなり上がります。
では、さっそく「戦略フレームワーク」について見ていきましょう!
「戦略フレームワーク」リサーチに必要な6つの考え方
まず「戦略フレームワーク」は6つあります。
その6つの頭文字を取ったのが「BASiCS」(ベーシックス)
それぞれの要素はこちら。
B:Battlefield:戦場、競合
A:Asset:独自資源
S:Strength:強み・差別化
i:(一貫性)
C:Customer:顧客
S:Selling message:メッセージ
ここで大事なのは、「i」を除いて、この順番で考えること。
順番が大事なんです。
さて、チャンネルを立ち上げよう!
と考えた時にこの順番で考えることで頭が整理されます。
そして、ここから6つのフレームワークをお伝えしていきますが1度で全て決めるのではなく、何度も繰り返していき具体性や一貫性を突き詰めてブラッシュアップしていくことを覚えておいてください。
それでは、それぞれの場所で具体的にどんなことを考えなければならないのか?見ていきましょう。
B:Battlefield:戦場、競合
まずは「戦場、競合」を考えます。
・戦いたい戦場はどこか?
・勝てる戦場はどこか?
・誰と戦うか?
つまりここでは「どこで戦うか?」「誰と戦うか?」これらをセットで考えます。
戦う場所は? → エンタメ ゲーム 料理
勝てる戦場は? → 面白さ 考察 実況 レシピ
誰と戦うのか? → 参入ジャンルでライバルになるチャンネル
ここでのポイントは、
どこで戦いたいのか? という「意志」
どこなら戦えるのか? という「能力」
これらが両方重なるところで戦えることが理想です。
理由は、強みが活きるため戦いやすいし、勝ちやすいからです。
また、ここでいう「能力」は次の「A」にも繋がる内容なのですが、自分が持っている必要はありません。
外注やパートナーさんがその能力を持っているのであれば一緒にチャンネルを進めていけばいいわけですから。
そして大事なのは、ここで戦場と戦う競合を決めても、最終的に何がいいのか判断するのは「視聴者」ということ。
自分の意見を押し通していくのではなく、最終的に全てを決めるのは視聴者ということを頭に置きながら次に進んでください。
A:Asset:独自資源
次に、自分の持っている武器は何か?を確かめます。
良い戦場を見つけて、敵を知っても、戦う武器がないと戦えないですし、勝てません。
そこで「独自資源」=「自分の経験」という価値を見出します。
独自資源とは?
競合が持っていないもの
他人が持っていないもの(持っていたら独自にはならない)
優位性を築けるもの
目に見えない体験、経験こそが独自資源になり、そして、強みや差別化の源泉になる。
つまり、特に「自分の過去の経験」「過去にあった事実」が生きてきます。
自分は誰か?
自分らしさとは何か?
ライバルにはない自分しか持っていないものは何か?
自問自答してみましょう。
同じ切り口でも、あなたにはライバルにはない情熱があるかもしれません
ライバルにはないノウハウやテクニックがあるかもしれません
技術や知識、情熱・熱意、表現力、世界観、親しみやすいキャラ・・・
ライバルと比較できるものはたくさんあります。
その中で、動画に活かせられそうなものをまずは書き出してみましょう。
自分の経験の棚卸しです。
ここでは、
自分には
・何ができて
・何ができないのか?
自分の今までの経験を箇条書きにしてみましょう。
ポイントはできることに対して「できないこと」も書き出しておくことです。
例えば、ゲームで格闘系はできるけどシューティングは苦手。
体操で前転はできるけど後転はできない
料理は好きだけど、包丁握って細かい作業は苦手 など。
そして、この時の経験の棚卸しの仕方があります。
1、経験内容:何をやったのか?
2、感想:今考えると、あるいはその時に、どんなことを考えていたか?
3、意味づけ:それは今の自分にどのような影響・変化を与えたのか?
(特に「意味づけ」が重要)
・その仕事や経験から何を学んだのか?
・その経験を普遍化するとどのように活かせるのか?
・自分に何が合う、合わないことがわかったのか?
・自分が最高の力を発揮できたのはどんな時か?
全ての経験に意味がある・・・と言うよりも全ての経験から無理矢理にでも何かを引き出すのが重要です。
「何が自分に向いていないかわかる」だけでも価値があるからです。
ここでは個人の「変えられない何か」まで掘り下げると自分「らしさ」が見つかります。
今まで行動してきたことを振り返って
・その何かを選んだ理由
・好きな理由
というのは何かしらの「動機」が必ずあります。
つまり、過去の行動や選択を長期的に振り返ると欲求や動機が見えてくるというわけです。
そして人間はそれを、無意識に繰り返しています。
YouTubeの動画にモチベーションは必要ないなど言われますが、何かしら興味がないと結構続けていくのはしんどいです。
ですので、その行動を見つめ直すことができれば動画に活かせます。
ここでは、自分の中にある「経験」を棚卸ししました。
では次は、その経験をどうやって「強み」や「差別化」に使うか考えていきます。
S:Strength:強み・差別化
ここでは、過去の経験という事実をどうしたら強みとして活かせるか?考えます。
思い出して欲しいのですが「強み・差別化」を考えるにあたって、それを活かすために「競合が誰か」という「戦場」を知らなければ意味がないのでBASiCSでは最初に「戦場」が来るんですね。
一度順番に思い出してみましょう。
戦う場所を決めて
戦う相手を知る
自分の武器を確かめて
その武器をどうやって使うか?どうすれば勝てる武器として活かせられるか。←今ここ
しかし、短期的な強みや差別化は、すぐに競合に真似されて厳しい戦いを強いられます。
理由・・・簡単に真似されるものは、その強み、差別化が「独自資源」に立脚していないからです。
良い例が「切り抜き系」です。
誰にでもできてしまいますからね。
ゆっくり解説は、何かしらのテーマを決めるのでスポーツでも野球なら野球、サッカーならサッカー、ゲームならゲームなどそのジャンルの経験がある人、好きな人に外注すれば長期的に差をつけるための強みになりやすいです。
ですので、戦場を選ぶ際、「強みが活きる戦場」を選ぶことが重要。
その相互関係を常にチェックする必要があります。
そして、強み、差別化を「単独」で考えてはいけません。
それは失敗の元となるので必ず全てを繋げて考えるようにしましょう。
そこでお伺いします。
「あなたにしかできないことは何ですか?」
Aの独自資源で書き出したものの中に、Sで見つけた戦場で競合に対して優勢になるものはないか?
そして、自分にしかできないことで、顧客(視聴者)にとって価値があることは何か?
その独自資源を見出して「強み」「差別化」を生み出しましょう。
強みは弱み、弱みは強み
これも覚えておいてください。
特にYouTubeでは、よくあるブラック企業で働いた経験などの弱みが強みに変わることもあります。
そう考えてもここで見出せる価値は自分の過去の経験に起因することが多いので、しっかりと経験を書き出して強みになるものは何か考え抜きましょう。
また、よく勘違いされやすいが「差別化」
差別化とは?
他と違うことをするのではなく、〇〇という事実を強みにして活かすことを言います。
差別化のポイントはさまざまですが、一例としてこんなものがあります。
更新頻度、面白い、テンポがいい、視聴者一人一人と向き合うなど。
その中で自分がベンチマークしているライバルチャンネルより勝るものは何か?
それを考えましょう。
同じことをしてても勝てないですし、下手をすれば劣化版となります。
同じことをするなら内容をパクってさらにクオリティの高いものを出しましょう。
i:一番最後に回します。
この「i」は最後に考えた方が理解しやすいので後に回しますね。
C:Customer:顧客(視聴者)
ここが一番重要な要素です。
というのも、ここを決めると他が決まるからです。
YouTubeの一番のポイントは「見るか・見ないか」決めるのは視聴者ということ。
人によって求めている価値が違うということ。
つまり、ターゲットは「求める価値(ニーズ)」で分類できるということでもあります。
ー例ー
・化粧品であれば、実年齢より「肌の悩み」や「使うタイミング、場所」などで分類
・外食であれば、「手早く済ませたいとき」「友人と二人で話したいとき」「みんなで騒ぎたいとき」などのニーズで分類
・ゲームであれば「隠しアイテムを知りたいとき」「参考にしたいプレイを見たいとき」などで分類
つまり、「性別・年齢」などに関わらず共通のニーズで分けることができます。
そして、この需要(ニーズ)に沿った視聴者が絞れれば、もっと具体的な戦場や競合が決まってきます。
例えば、小さな子供のいるママさんvlog。
ママさんの強みであり弱みが、子供の世話や片付け、ご飯の準備だとすればターゲットは
・同じ小さな子供がいる主婦
・小さな子供の世話が大変なことを知っている主婦
になってきます。
そうやって、強み弱みに「共感」などをして見てくれる視聴者を意図的に選ぶことができたら勝ちやすい状況を作れます。
ここで、冒頭でお伝えした「ターゲット」を考える順番が変わるお話を思い出してください。
ターゲットというのはただただ、
・年齢や
・性別を
決めつけるものではなく
「ニーズ」によってそれが違うから分けることが本質です。
そして、そのニーズから導き出された人物像に決めるのがターゲット。
つまり、
ニーズを把握 ▶︎ ターゲットを決める
この順番になります。
これを逆にすると、
ターゲットを決める ▶︎ ニーズを把握
になりますが、そうすると自分の思い込みや理想でターゲットを考えていることになるのでマスが限りなく狭くなってしまい、
そもそもそこには、本当に需要ってあるんですか?ニッチすぎませんか?
となってしまいます。
つまり、これがわかれば競合がいても強みを生かして差別化し、勝つことができるわけです。
市場、戦場、参入するジャンルによって視聴者が変わるのは当たり前ということですね。
例えば同じ化粧品でも
・高級感、外国人への憧れを持つ人(他者志向)
・自分らしくありたい人(自分志向)
このように二つに分かれるので美容系やvlog系をする人は、こういった視点を参考にすると良いかもしれません。
S:Selling message:メッセージ
では、最後の「S」
ここでは、今までに考えてきたことをまとめて、
「誰に」=視聴者に
「何」を=強みを
「どのように」(想い)を伝えるか?
「誰に」「何」を「どのように」伝えるか?を考えます。
大事な部分としては、「伝わっていない」ということは「存在しない」のと同じなので、それをYouTubeでは動画として伝えるわけですね。
あとは、視聴者に伝わるものは、視聴者に見えるものだけなんです。
この見えるものというのはラジオ感覚で聞く音声も「音」というもので見えることを含みます。
つまり、見えるもの全てがメッセージになり得るということです。
そこには、サムネイルやタイトル、説明欄やテロップ、演出など全てが含まれます。
ですが、ここまで考えてきた戦略は自分で考えていることなので見えないですし伝わりません。
視聴者はあくまでも「見える」メッセージで全てを判断することを忘れないようにしてください。
僕らがいくら時間をかけて苦労して考え抜いた戦略も、その苦労を伝えようとすればただのエゴにしかなりかねません。
大事なのは、動画という形となって見えるメッセージが視聴者の需要に合っているかどうか。
視聴者が求めていたものであったかどうか。
それだけです。
そして、その動画が「良かったか、悪かったか」判断をするのは僕らではなく、視聴者です。
つまり、最後の最後にまとめて考え抜かれた動画というメッセージは、チャンネル全てに影響を及ぼすということ。
だからこそ、刺さる動画というのはここまで考え抜かれたものなんです。
視聴者に届けたい、見てもらいと思うのであれば、
「誰に」=視聴者に
「何」を=強みを
「どのように」(想い)を伝えるか?
これらをしっかり考え抜きましょう。
i:一貫性
そして本当の最後の最後。「再確認」の意味を込めて「一貫性」のチェックです。
ここまでの
B:Battlefield:戦場、競合
A:Asset:独自資源
S:Strength:強み・差別化
C:Customer:顧客
S:Selling message:メッセージ
これらに一貫性はありますか?
それぞれが上から順番にしっかりと繋がっていますか?
もし、少しでもズレていたり違和感があれば、もう一度最初から考え直しましょう。
また、順番に考えてきましたが1度だけで終わらせず、もう一度もっと深掘りできることはないか?
2回3回とこの流れを繰り返してブラッシュアップしましょう。
そうすることで、強固なコンセプトのチャンネル設計の基盤ができます。
まとめ
BASiCSの6要素は単独で考えてはいけない。
必ず最後の「i」で一貫性があるものか確認する。
そして、目に見えるものしか視聴者には伝わらないこと。
それが全ての判断材料になってしまうことを忘れないようにしてください。
最後に、これからチャンネルを立ち上げる方はノートなどに「BASiCS」をぜひ書き出してみてください。
リサーチカルテ
B:Battlefield:戦場、競合
・戦いたい戦場はどこか?
・勝てる戦場はどこか?
・誰と戦うか?
A:Asset:独自資源
自分には
・何ができて
・何ができないのか?
もしくは外注にお願いするなら その人には
・何ができて
・何ができないのか?
自分の場合は、
1、経験内容:何をやったのか?
2、感想:今考えると、あるいはその時に、どんなことを考えていたか?
3、意味づけ:それは今の自分にどのような影響・変化を与えたのか?
・その仕事や経験から何を学んだのか?
・その経験を普遍化するとどのように活かせるのか?
・自分に何が合う、合わないことがわかったのか?
・自分が最高の力を発揮できたのはどんな時か?
それぞれの
・その何かを選んだ理由は?
・好きな理由は?
S:Strength:強み・差別化
Aの独自資源で書き出したものの中に、Sで見つけた戦場で競合に対して優勢になるものはないか?
そして、自分にしかできないことで、顧客(視聴者)にとって価値があることは何か?
C:Customer:顧客
ここまでのBASはYouTube上で需要のあるものか?
その需要(ニーズ)から見えた視聴者像は?
S:Selling message:メッセージ
「誰に」=視聴者は?(ターゲットはどんな人?)
「何」を=強みは?
「どのように」(想い)を伝えるか?
i:一貫性
「再確認」の意味を込めて「一貫性」のチェック
p.s
YouTubeを始めるときに
1、リサーチをして
2、動画を作り
3、YouTubeにアップロード
4、分析・改善
を繰り返します。
この流れの中の1番。
リサーチの時に今回の戦略フレームワーク「BASiCS」を使うと整理しやすいです。
また、今回の「BASiCS」の考え方は、YouTubeに限らず他のビジネスでも応用できる考え方なのでぜひ活用してみてくださいね。
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